【完】ファントム・ナイト -白銀ト気高キ王-
「……莉胡、」
「あっ…、ちせ、」
甘い刺激に全身を染め上げられて、もう千瀬のことしか見えない。
はじめては痛いとか聞いたことある気がするけど、たぶん千瀬は相当優しくしてくれたんだと思う。びっくりするぐらいすんなり受け入れられて、わたしの反応がすこしでも悪くなると、すぐに「平気?」と聞いてくれた。
「んっ……あ、っ…」
「……莉胡」
甘い視線に見つめられて、キスをおねだり。
静かな夜の中で、耳に届くのは甘いわたしの声と、千瀬がくれる言葉だけ。羞恥なんてとっくに消えて、優しく触れてくれる千瀬が、ただただ愛おしくて。
莉胡と名前を呼んでくれるくちびるも、好きだよと紡ぐその声も。
触れる指先も甘い視線も、千瀬のぜんぶが。……わたしだけの、ものだ。
「莉胡は好きなだけ俺のこと独占して。
……その代わり、ぜんぶ俺にちょうだい」
何言ってるんだか。
とっくにわたしのぜんぶは……千瀬のものなのに。
「千瀬……ん、っ、すき、」
「……知ってる。俺の方が好き」
適わない。適わないけど、しあわせ。
たくさん言葉のプレゼントをくれた千瀬が、「そろそろ限界」とつぶやくから、その色気にハマりそうになる。
「……どう? はじめての感想」
千瀬と果てて、終わったことに安堵したのかそれとも疲れたのか、身体はぐったりして。
動けないわたしの髪をなでてキスをくれた千瀬は、後処理までさっさとやってくれた。時計を見れば時刻は12時前で、どれだけ千瀬が時間をかけて大事にしてくれたのかわかる。