【完】ファントム・ナイト -白銀ト気高キ王-
「莉胡」
「………」
「そんな恥ずかしがらなくていいよ。
ついさっきまで莉胡のかわいいとこいっぱい俺に見せてくれたでしょ」
「ッ、だからそういうこと言わ……んっ」
振り返って文句を言おうとしたら、そのくちびるを簡単にふさがれる。
振り返って不意打ちでキスされるの、付き合って何度目だろう。頻繁にされるせいで、もはや振り返ったらキスされるって思い込んでしまいそうになる。
「ぜんぶかわいいよ。
十色さんとか織春とか……そのほかの男でも。1回経験あったってなったら、俺はここまで優しくしてやらなかったかもしんないけど」
千瀬の体温が、あたたかい。
うしろから髪に顔をうずめてくる千瀬に「千瀬だけだよ」と言えば、「当たり前でしょ」と言われた。
「俺だけじゃなかったら許さないから。
……いっぱい俺に愛されててよ」
「うん……
クリスマスイブも、優しくしてくれる?」
「俺は莉胡に優しいでしょ」
うん、とうなずいて身体を千瀬の方へ向けてから、キスしておやすみを囁いてもらって。
目をつむると、ゆっくり眠りへ落ちていく。
「……愛してるよ」
明日の朝は、世界でいちばんしあわせな朝を迎えられる自信がある。
たっぷり愛された翌朝なんて、しあわせ以外の何物でもない。
だから明日の朝は。
わたしから、「おはよう」のキスをさせてね。
【妖姿媚態 Fin.】
(ベリーズカフェでの読者様、
読了ありがとうございました!)


