【完】ファントム・ナイト -白銀ト気高キ王-
下4桁は、3811。
見覚えのあるその番号。──ミヤケ、だ。
「わかんねえなら調べてやろーか?
一般人の電話番号ならある程度特定出来んぞ」
「え、あ、ううん……
誰のかわかったから、だいじょうぶ……」
それより特定できるってなんだ。犯罪じゃないのかそれ。
もしかしてトモの仕事ってそういう裏仕事的な感じなのか。……こわいから聞かないけど。
『お前と、千瀬のこと。
……月霞のヤツは、みんなまだ信じてる』
ファストフード店で。
千咲と千瀬が来る前。ミヤケに言われたその言葉は、ひどく脳裏に焼き付いてる。
みんな、って。
その中に彼はふくまれていないんでしょう?と。聞けばミヤケは困った顔をしていた。──言われなくてもぜんぶぜんぶ、わかってるけど。
「トモ、しばらくちゃんと学校来るの?
累のみんながそろったの、ひさびさに見るんだけど」
「だりぃけど、ダブる方がめんどーだからな。
とりあえず夏休みまでは毎日来る予定」
「ちゃんと通えばいいのに……」
そもそもたまにしか来てないのに単位って取れるものなんだろうか、と。
トモに若干の不安を覚えつつ、まあ大丈夫だろう、たぶん。という結論に至った。
もうすぐ、朝のホームルーム開始のチャイムが鳴る。
窓の外は、昨日の雷雨が嘘みたいな快晴。
──十色と別れて、はじめての、夏がくる。
「放課後、誰か一緒に千瀬のお見舞い行く?」