私のご主人様Ⅱ

「???」

「見るな」

耳元で呟かれた声に不覚にもドキッとする。

目を塞がれたまま引き寄せられ、倒れそうになるけど、すぐに受け止められる。

「ここちゃん、道覚えちゃうでしょ?だから車乗るときは目隠しね~」

目を塞がれているせいで伸洋さんがどんな顔をしているのか分からない。

というより、それどころじゃない。背中から伝わってくる温もりや微かに感じる鼓動が気になって仕方がない。

こ、これ抱き締められてるみたいになってる。

ひぃー!目閉じてるから離してください!!!

声がでないせいで全然伝わない。それどころか、離れようとするとお腹にまで手が回ってくる。

「暴れるな。暴れても逃げれねぇぞ」

そういう意味ではございません!!

それに、走る車から飛び降りる度胸は残念ながらまだ身に付いてません!
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