旦那様と契約結婚!?~イケメン御曹司に拾われました~




それから、一度ホテルに戻って、ゆったりと温泉を堪能して……と過ごし、迎えた夜。

このホテルの売りのひとつ、貸出の色浴衣に身を包んだ私たち3人はこのホテルのオーナーである黒田さんとともに、広間でテーブルを囲み夕食を取っていた。



「立花くんもおふたりも、遠いところよく来た!さぁ、飲んで飲んで!」



ふくよかな中年男性、といった風貌の黒田さんに、薄水色の生地に花柄があしらわれた浴衣にピンク色の帯を合わせた私は笑みを浮かべて日本酒に口をつけた。



うん、このお酒まろやかで飲みやすい。

目の前にはずらりとお刺身やサザエ、ほたてなどの海の幸が並び、食欲をそそる。



あぁ、美味しそう……あれもこれもぺろっと食べてしまいたい……。

そんな欲望が顔に表れていたのだろうか。

私の右隣に座る、紺色の浴衣を着た檜山さんが『相手が引くからほどほどに』というかのように肘で私をトンッと小突いた。



わ、分かってますよ……。

ここは我慢……今度結花とふたりで旅行に来よう。絶対来よう。



そう心に決めてぐっと堪えるように、手元のお酒をまたぐいっと飲む。



ちら、と見れば、私の左隣に座る玲央さんは、ライトグレーの浴衣に身を包み、黒田さんと話をしながらお猪口に口をつける。



おぉ……なんか、モデルみたい。

いつもはスーツ姿ばかり見ているせいか、初めて見るその浴衣姿が新鮮だ。

顔がいいとなにを着ても似合うんだなぁ……!




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