旦那様と契約結婚!?~イケメン御曹司に拾われました~



「いいんじゃないですか。社長が選んだんですから」



え……?

檜山さんからの思わぬひと言に、驚き顔を上げた。

彼の顔には相変わらず愛想はない。けれど、目を見て伝えてくれる。



「立花社長があなたを選んで、隣にいてほしいと願ってるんだから。堂々としてればいいんですよ」



そしてぽん、と軽く頭を撫でた。

玲央さんより細い指の、やや女性的な手。けれどその手は優しくて、この心をそっと励ましてくれるかのようだ。



堂々と、していればいい。

彼が、となりにいてほしいと願ってくれているなら。



小さくうなずくと、檜山さんは再び私の腕を引き歩き出した。



そしてドレスショップをあとにすると、車に乗り、恵比寿にある玲央さんのホテルへとやってきた。

檜山さんに案内されるまま建物内を歩き、奥にあるホールへと向かう。



『立花コーポレーショングループ親睦パーティー』と書かれたホールの入り口から一歩踏み込むと、広々としたホールの中、テーブルには沢山の料理が並び、ドレスやスーツに身を包んだ人々でにぎわっていた。



その中で檜山さんは壁沿いを歩き人波をうまくかわすと、スタッフのひとりに声をかけて、なにやら連絡を回す。



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