旦那様と契約結婚!?~イケメン御曹司に拾われました~
「よく食べますね……」
「すみません、おいしくて!幸せです!あ、檜山さんも食べます?」
「……いえ。見てるだけで満腹で吐きそうです」
檜山さん自身は細い見た目通り食が細いのだと思う。どんどんと料理を口に運ぶ私に、その顔は青くなる。
「そんなに食べて大丈夫なんですか」
「はい、ちゃんと消化してますから!あ、太りづらいので体型にも出ません!」
「それはまた、世の中の女性の敵のような……」
周りの女の子は、太りたくないから、と我慢やダイエットをしている子がほとんどだ。
そんな彼女たちに度々恨めしい顔で見られるのを思い出し、苦笑いでローストチキンを食べる。
「あの、さっき気になったんですけど、向こうのチャペルってオルガンじゃなくてピアノなんですね。珍しいですよね」
先ほど見たものを思い出しながら『向こう』とチャペルの方を指さすと、檜山さんは頷く。
「えぇ、立花社長の要望でオルガンだったのをピアノに変えたんです。社長もたまに音のチェックしながら弾いてるみたいですよ」
「えっ!そうなんですか!?」
玲央さんが?
家のピアノをあれだけ拒んでいたから、ピアノ自体を弾くことをしていないのだと思っていた。けど、あのピアノには触れていたんだ。
そのことに少し驚くと、そんな私の心を見透かすかのように目の前の彼はこちらに目を向ける。