旦那様と契約結婚!?~イケメン御曹司に拾われました~



それから数十分をかけ試食を終えた私は、檜山さんにお礼を言ってレストランを後にした。

結局テーブルの上の料理を完食した私に、最後のほうは檜山さんは『もう見たくない』とテーブルの上の食べ物から顔を背けてしまっていた。



感想とかメモしてなかったけど、大丈夫なのかな……。

けど新メニューもおいしかったなぁ、玲央さんから最初のお給料もらったら、来月結花と食べに来よう。



そう考えながらロビーへ戻ってきた私は、先ほどの会話を思い出しながら視線を外のチャペルへ向ける。

すると、ガラス張りのチャペルの中、白いピアノのところにひとりの姿が見えた。



あれ、誰かいる……。

庭もチャペルも自由に出入り出来るようだし、お客さんが入っているのかな。

そう思いながら、続くように庭に出て、微かに開いていたドアからコソコソとチャペルを覗き込んだ。



するとそこにいたのは玲央さんで、彼はピアノの椅子に座ると、その真っ白なピアノに向かい合う。



玲央、さん……?

不思議に思いながら見ていると、彼は鍵盤をひとつひとつ押し、音を確認するように耳を澄ませる。



ド、レ、ミ……とチャペル全体に響く透明感のある音に、呼吸の音ひとつですらも邪魔してはいけない気がして、息を潜めた。

そして音の確認を終えると、玲央さんは両手を鍵盤に添え、演奏を始める。

ゆっくりと弾き始める指先に、流れるような音が続く。



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