旦那様と契約結婚!?~イケメン御曹司に拾われました~
「っ~……ママじゃなぁぁ~い!うぇ~ん!!」
「え!?」
火がついたように大絶叫して泣き出す女の子に、どうしていいかがわからない。
オロオロとしていると、それまで黙って見ていた玲央さんが女の子の体をそっと抱き上げた。
「どうしたのかな、お姫さま」
優しいその声と抱き上げる腕に、女の子の涙はピタッと止まる。
おぉ、さすがホテルのオーナー社長。子供の扱いもお手の物だ。
「ママが、どっかいっちゃったの……」
「そっか。どこではぐれちゃったかわかる?」
「ちかく……ママがね、いっかいからうごかないでねってゆってたの」
たどたどしい口調で懸命に説明する女の子に、玲央さんは「うん、うん」とゆっくり話を聞く。
「じゃあお兄ちゃんたちが一緒に探してあげようか」
「ほんと?」
「うん。だから涙拭こうね」
そっと微笑む玲央さんに、先ほどまで泣いていた女の子の表情もぱあっと明るい笑顔になる。
すごいなぁ……私の出る幕なんてないくらい。
あやすのが上手っていうのもあるんだろうけど、玲央さん自身子供が好きなのかも。
「じゃあこの辺りぐるっと回って、それでも見つからなかったらインフォメーションに向かいましょうか」
「そうだな。お名前は?言えるかな」
「みずきー!とくら、みずき!4さい!」
玲央さんの問いに、女の子……みずきちゃんは、彼に抱きついたまま答える。
そして私たちはみずきちゃんとともに、みずきちゃんのお母さんを探すべく広々とした1階フロアを歩き出した。