君が嫌い
『……今日だけだから。』


嫌い、顔を合わすたびにそう思う。
俺はそんなにお人好しじゃない。


『えっ?』


嫌いな人に嫌いって直接言える人間だ。
だから君にだって平気で何度でも嫌いって言えるほど冷酷な男なんだ。


『そういやこの辺にイルミネーションあったんだよなー。暇だしこれから見に行こうかなー。あーだけど1人で行くのはちょっと勇気いるからなー誰か一緒に来てくれる人が助かるんだけどなー。』


あーあ、もう言っちゃったから後戻り出来ないな。


『そ、それって……』


『一緒に行かない?』


俺もクリスマスのムードに当てられたのかな。
だからこんな自分でも意味不明なことを口走っているんだ。


『だけど、私のこと嫌いだって……』


『君が来ないなら1人で行くからいい。』


『私も行く!一緒に行くー!!』


だけどなんだろう。
彼女の満面の笑みを見たら心の底から良かったと思えた。

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