俺様社長と付箋紙文通?!
ぴゅうっとビル風が吹いて頬を刺す。もう冬だ。あったか下着は上下とも2枚重ね、使い捨てタイプのカイロも足底と腰に貼っている。そろそろ耳あてもほしいかも。野菜スープを入れた寸胴鍋からあがる湯気がやたらと白く見える。
今日もバリキャリ女史がやってきた。でも、いつもとちょっと違う。輪をかけてピリピリしてる。
「はい、今日はこれ」
つっけんどんに出されたドーナツカード。私はそれを見て、おや、と感じた。だって付箋紙に書かれた言葉が。
“癒しのドーナツが食いたい”
癒しのドーナツ?
こんなリクエストはいままでなかった。ナッツ系とかビターチョコとかフルーティーとか。まあ、たまにウルトラストロングとかめっちゃジャパニーズとか変なリクエストもあったけど。
癒し、癒し、癒し。
……どうしたんだろう。なにか嫌なことがあったんだろうか。刺激の少ないプレーン生地に甘い系のホワイトチョコ、癒し効果のあるグレープフルーツの皮の甘煮を散りばめたトッピングのドーナツを袋に入れた。それから新たな付箋紙をカードに貼り付けて、ブルーブラックゲルインキのペンを持つ。
“何かあったんですね。赤い屋根の下で応援しています”
そう書いて自分の字を眺める。応援、なにか違う気がする。
私は書いた文字の上をぐちゃぐちゃに線を引いて消した。新たに付箋紙を出してドーナツカードに貼る。
会って、癒してあげたい。会って……。
「え、え、あ、ぎゃああああ!」
そんなことを考えていたら付箋紙に、お会いしたいですね、と書いてしまった。書き直そうと新たな付箋紙を用意していると、バリキャリ女史がキィーっと声を出した。見れば額は割れんばかりにピキピキと引きつっている。
「急いでるのに、何度書き直すのよ。待ってる余裕はないの。そのままもらうわよ!」
「何度って1回だけじゃ……え、あ、ええっ!」
彼女は私の手から付箋紙の挟まれたドーナツカードとドーナツの入った紙袋をもってビルにもどってしまった。呼び止めようにも名前も知らない。バリキャリさーんと叫んでみたものの、順番待ちをしているお客さんたちに変な目で見られてしまった。
*−*−*
今日もバリキャリ女史がやってきた。でも、いつもとちょっと違う。輪をかけてピリピリしてる。
「はい、今日はこれ」
つっけんどんに出されたドーナツカード。私はそれを見て、おや、と感じた。だって付箋紙に書かれた言葉が。
“癒しのドーナツが食いたい”
癒しのドーナツ?
こんなリクエストはいままでなかった。ナッツ系とかビターチョコとかフルーティーとか。まあ、たまにウルトラストロングとかめっちゃジャパニーズとか変なリクエストもあったけど。
癒し、癒し、癒し。
……どうしたんだろう。なにか嫌なことがあったんだろうか。刺激の少ないプレーン生地に甘い系のホワイトチョコ、癒し効果のあるグレープフルーツの皮の甘煮を散りばめたトッピングのドーナツを袋に入れた。それから新たな付箋紙をカードに貼り付けて、ブルーブラックゲルインキのペンを持つ。
“何かあったんですね。赤い屋根の下で応援しています”
そう書いて自分の字を眺める。応援、なにか違う気がする。
私は書いた文字の上をぐちゃぐちゃに線を引いて消した。新たに付箋紙を出してドーナツカードに貼る。
会って、癒してあげたい。会って……。
「え、え、あ、ぎゃああああ!」
そんなことを考えていたら付箋紙に、お会いしたいですね、と書いてしまった。書き直そうと新たな付箋紙を用意していると、バリキャリ女史がキィーっと声を出した。見れば額は割れんばかりにピキピキと引きつっている。
「急いでるのに、何度書き直すのよ。待ってる余裕はないの。そのままもらうわよ!」
「何度って1回だけじゃ……え、あ、ええっ!」
彼女は私の手から付箋紙の挟まれたドーナツカードとドーナツの入った紙袋をもってビルにもどってしまった。呼び止めようにも名前も知らない。バリキャリさーんと叫んでみたものの、順番待ちをしているお客さんたちに変な目で見られてしまった。
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