少女に野獣。
白い息が出る程に寒い外とは違って、暖かい車の中で長いこと揺らされていると、何だか眠たくなってきた…


どんなに暴れても離してくれない黒髪に、早々に諦めて窓から見える景色を眺めています


敦士さんに連絡をしたくても、買い物へ出掛けるのが楽しみだった私は、運悪くお家へ忘れてきたみたいで…


「屋敷へ連れてくのか?」


「そのつもりだけど?」


「女禁制だろうが。頭が許すわけねぇ」


「あぁ、大丈夫。今日は五月蝿い親父も、川端もいないから」


「あ"?………あぁ、そうだったな。影んとこいくんだったか?」


「そうそう。いい歳した親父達が、寄ってたかって何が楽しいんだか……ねぇ、可愛い仔猫ちゃん?君もそう思うだろ?」


眠気眼で2人の会話を聞いていれば、私の顔を黒髪の顔へ近づけられた


仔猫って……


ようやくこの2人にも馴れてきて、この際だからと間近で黒髪を見つめることに…


見間違いではなかったようで、この人、、


テレビに出てくるイケメンさんと同じくらい……それ以上のイケメンさんのようです…




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