少女に野獣。
また、、戻って来てしまいました…


エレベーターに乗ってパソコンを少し弄っただけなのに、何故か体が辛い


「それで、美依恋ちゃんが機転をきかせたわけですね」


「そうなんッスよ!」


"サンキューな、おチビさん"そう言って、ニコニコ笑う芦屋さん


おチビじゃないのに…


そんな文句すら、今は言えない…


安藤さんに半ば引き摺られるようにして帰ってきた社長室


私を見た糸夜さんは表情1つ変えずに、芦屋さんとビジネスの話を進めた


そんな大人な話に私が同席して良いはずもなく、席を立とうとしたけれど、隣へ座っていたクリーム色の彼に止められた


あの綺麗な秘書さんには瞳で"出て行きなさい"ビームを受け続けて、流石に少し疲れてきた…


「だけど、どこであんなスキルを…?」


「………」


何て言えば良いのでしょうか?


「美依恋ちゃんの父親は、電子機器に凄く詳しくてね…小さい頃から見ていたから、何となく身についていたんだろうね…?」


助け舟を出してくれた糸夜さんに、静かに頷いた


「それでも凄ぇ事だ!お前、うちのシステム課で働いてみねぇか?」


…………え、?


前のめりになりながら、そう問う芦屋さんから少し後ずさった


熱風が当たりそうな程の、あまりにも熱い意気込みに驚いたから…


「それは困りますね。この子はうちの大事な仕事を任せるつもりですから。ね、美依恋ちゃん?」


と、言われましても…


何の話をしているのかサッパリな私は、1人だけ馬鹿みたいに口を開けている


それでも、あの綺麗な秘書さんから鋭い視線を感じ、慌てて顔にチカラを入れた




< 66 / 84 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop