社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
『金曜の帰りは一緒に帰るぞ。

二ノ宮健人』


『わかりました。

それより奥寺は私と社長の関係を
疑ってました。

もしかしたら同期には話すかも
しれません。問題ありますか?

長嶺花菜』


『いや問題ない。

二ノ宮健人』



社内メールでやり取りをする。


チラリと前を向けば、長野さんと視線が合った。



「坂本さんがいないと長嶺も伸び伸びしてるな。」


「なっ、変わらないです。」


「本当かよ。ニヤニヤしてるぞ。」


「………してません。」



『社長とのメールでニヤニヤしてた?』



私は口元を引き締めれば、長野さんがクスクスと笑っている。


私はデスクの上の仕事の量に溜め息を吐いた。


黙々と仕事をしていれば、すっかり夜になっていた。一段落したところで休憩に向かう。



『帰れるか?』



携帯に入ったメッセージ。勿論、社長の健人さんからだ。
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