社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
『今日はお先にどうぞ。まだ帰れません。』



メッセージを返せば、すぐに返信が届く。



『俺も仕事はあるから。帰りに連絡を入れろよ。』


『待ってなくても大丈夫ですよ。』


『一緒に帰りたいんだ。帰りに連絡をくれ。』


『わかりました。』



いつの間にか口元が弛んでいたみたいだ。



「長嶺?」


「奥寺?」


「彼氏?でも別れたばかりだよな?」



自販機の前でメッセージをやり取りしていた私の前にはいつの間にか奥寺がいた。



「何で?」


「携帯を見ながらニヤニヤしてるから。」


「ニヤニヤなんてしてません。」


「してたぞ。休憩?」


「うん。今、忙しくて。」


「俺も。」



煙草を吸う奥寺と喫煙所に入る。私は奥寺の隣でジュースを飲む。



「っで彼氏が出来たのか?」


「ん~、まあね。」


「…………もうかよ。」



驚く奥寺に私は苦笑いした。私達は暫く話して自席に戻った。
< 50 / 240 >

この作品をシェア

pagetop