社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
『5分後にエレベーターで。』



社長に帰れるメールを送れば返信が送られてくる。


私は指示通り、時間になるとエレベーターに向かった。



「長嶺、お疲れ様。」


「社長もお疲れ様でした。」



ペコリと頭を下げれば、社長の手が私の髪を撫でた。



「社長、人に見られます。」


「俺は気にしないって何度も言ってる。」


「もう。」



最近、社長と触れ合うのに抵抗がなくなりつつある。


それは社長が私を包み込んでくれる存在であるから。


二人で社長である健人さんの車に乗り込む。



「はあ疲れた。」


「今は忙しいからな。これからはもっと忙しいだろ?」


「ですね。」


「頑張れよ。」



健人さんが優しく髪を撫でる。その手が温かくて目を閉じる。



「健人さん、優しいですよね。」


「花菜にだけだ。」


「ふふっ、またまた~。でも健人さんの隣は安心する。」



私は目を閉じていれば、そのまま車の中で眠りに落ちていた。
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