社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編
「「「かんぱ――い!」」」



個室に響く音頭に私もチューハイを一口飲む。


隣には社長、その奥には長谷川さんが座り、注目を浴びている。



「長嶺、お前は凄いよ。」


「何よ、藤村。」



まだ始まったばかりで酔っている筈がないが、私に絡む藤村を見る。



「社長だよ?長谷川さんだよ?社内人気トップ2だよ?」


「ははっ、そうだね。藤村でも人気トップ2とか知ってるんだ。」


「知ってるし。格好いいよな?俺もなりたい。」


「ははっ、なれるよ。」


「簡単に言うなよ。」



藤村と盛り上がっていれば、社長に肩を抱き寄せられた。


私の体が一瞬で固まる。



「えっ!」


「おい、マジかよ!」


「嘘、長嶺と社長?」



一気にどよめき立つ個室に私は更に固まる。



「藤村、俺の女だから。」



私もだが個室が一気に静まり返る。目の前の藤村なんて目が飛び出しそうな程、驚いているのがわかる。
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