拾われた猫。Ⅱ
オドオドと挙動不審な平助をクスリと笑った。
平助の腕に自分の手を置く。
「私も…総司も大丈夫…だから。
訳は後で……」
それ以上は全身が痛くて言葉にならなかった。
平助は皆まで言うなと言うように、何度もコクコクと頷いた。
安心させたくて無理矢理微笑むけれど、更に辛そうな顔をさせてしまった。
総司なら、上手く笑うんだろうな。
そんなことを思いながらも、全身の痛みに耐えるように目をぎゅっと閉じた。
骨が軋む。
肉が千切れる。
そんな痛みが波打つようにくる。
平助に、まずは総司を部屋に戻してあげるように指示する。
自分よりも大きな人だからか、背負うのは大変そうだった。
道場を出るまで何度も何度もチラチラとこちらを見ていたが、私はその度に微笑み返した。