イジワル社長は溺愛旦那様!?
ふたりで広いバスタブに浸かって、体を寄せ合う。
「髪、伸びたよな」
湊がどこか感慨深い様子で、クリップで留めきれなかった夕妃の濡れた髪をすくい、耳にかける。
「育ちざかりだから?」
とは言え大人になってほとんど身長は伸びておらず、身長が百八十を超えている湊とは違い、夕妃は一般女子の平均である。
「まだ育つ気なのか」
湊は苦笑して、そのまま夕妃の頬に音を立ててキスをした。
「私も鍛えようかな」
「急にどうした。まぁ、適度な運動は体にもいいから、止めないが……」
そう言いながら、湊は思案するように目を細めた。
「また誰かになにか言われたのか」
湊は夕妃の体を抱き寄せる。
心配させたと気づいて、慌てて首を振った。