イジワル社長は溺愛旦那様!?
どうやら澄川はかなりの猫舌らしい。そんな猫舌でなぜグラタンを食べに行くのについてきたのだろうかと思わないでもないが、よほど食べたかったのだろう。
夕妃はそんなふうに納得しながら、腕時計に目を落とす。
会社に戻ったらすぐに歯磨きをして、メイクを直して業務再開だ。
頭の中で午後のやるべきことのスケジュールを確認していると、ミニバッグに入れていたスマホが震えた。
歩きながらチェックすると、朝陽からのLINEだった。
先日、結局出張帰りに慌ただしくお土産を渡しただけで、ゆっくり会えなかったので、祝日である明日に改めて会うことになったのだ。
湊だけではなく朝陽の彼女も仕事らしく、お互いフリーだ。姉弟で水入らずで会えるのは久しぶりだし、楽しみだった。
【じゃあ〇×駅で待ち合わせねー】
そう返事をしていると、澄川が「なんだか楽しそうだね……彼氏?」と声を掛けてきた。
「いえ、弟です」
そういえば少し前にも、空港のラウンジで似たようなことを言われたような気がする。
よっぽど自分は朝陽のことが好きなのが顔に漏れているのだろうなと、夕妃は恥ずかしくなりながら、首を振った。