イジワル社長は溺愛旦那様!?
期待しなければ傷つかなくて済む、この数日だけでも楽しく過ごそうと決めた夕妃だが、その可能性を考えると、胸がちくっと痛くなる。
(なんにしても、気持ちは割り切らなきゃ……)
夕妃はそう心の中で決意しつつ、話題を変えることにした。
【学校はどう?】
【行ってるよ。ちょー普通。やっぱりアイツ、学校には話してないみたいだ】
【そう。よかった】
どうせ元・婚約者には――月曜日には顔を合わせることになるはずだ。
責任を取るのは自分だが、朝陽がおかしなことに巻き込まれている気配がないという事実にひとまずホッとした。
【とりあえず元気なのね】
【俺は元気だよ。姉ちゃんは? 声でた?】
【まだ】
【ふーん。あんまり気にすんなよ。治るもんも治らなくなるからな】
身内だからか、朝陽の性格なのか、あんまり気にすんなよで済むような問題ではないと思うのだが、夕妃はちょっと笑ってしまった。
【気にするよ】
【神尾さんはなんて?】
【神尾さんは全然なんにも言わないけど】
【ほらみろ。神尾さんだって俺と同じ考えなんだよ】
なぜか勝ち誇ったようにいわれて、夕妃はふっと笑みをこぼした。