イジワル社長は溺愛旦那様!?
それからしばらくして食事を終えたところで――。
「ごめん、ちょっとトイレ」
朝陽がカウンターを立ち上がって、店の奥へと向かう。
(じゃあ今のうちに会計を済ませようかな)
夕妃もカウンターの奥にいる洋平に向かって手をあげた。
「ごちそうさまでした。お会計お願いします」
すると洋平がやってきて、
「お礼ってことにすると朝陽に伝えていたんですが」
とささやいた。
やはり朝陽がここに行くつもりだったのは、キャットフードのお礼に食事をということになっていたらしい。
男の子らしいやりとりだと思うが、夕妃としては、それは困る。
「また気兼ねなく来たいので、普通に払わせてください」
と微笑んだ。
「お土産までいただいたのにですか?」
明らかに困惑している洋平だが、夕妃もさすがに人づてに貰ったキャットフードで食事をごちそうしてもらうのは忍びない。
仕方ないので、洋平に顔を近づけた。
「実はさっき声を掛けてきたのが職場の同僚で、キャットフードをくれた人なんです。私、猫飼ってるってことになってて……それで」