イジワル社長は溺愛旦那様!?
「――いろいろあるんですね」
夕妃のもの言いたげな目を見て、洋平はうなずいた。
「そうなんです、いろいろ……すみません。ですからどうぞ気にしないでください。お土産のお菓子は、朝陽がお世話になっているということへのご挨拶ですから」
そして洋平に会計をしてもらってから、夕妃は腕時計に目を落とした。
すでに夜の八時を回っていた。
朝陽は外出届を出してきたのだろうが、九時までに帰らせるのが保護者のつとめだろう。
(十分間に合いそうね……)
ホッとしたのもつかの間、
「み、三谷さんっ!」
頭上から大きな声で名前を呼ばれた。
なにごとかと驚いて顔をあげると、夕妃の前に、顔を真っ赤にした澄川が緊張した様子で立っていた。
確か彼らは食事の間、向こうのテーブルにいたはずだ。
気になってみてみれば、案の定、テーブル席に残りのふたりがいて、なぜかニヤニヤしながらこちらを見ている。
「はい?」
なんだろうと思いながら首をかしげると、
「い、い、いま、一緒にいたのが彼氏なの!?」
と、大きな声で問い詰められた。