イジワル社長は溺愛旦那様!?
すると厨房から「あー、たった今最後が出たところだよ」
と、返事が返ってくる。
なんと売り切れてしまったようだ。
「――すみません」
男の子は申し訳なさそうに頭を下げた。
だが限定十食なのだから、売り切れることもあるだろう。
ものすごく残念だったが、夕妃は首を振って、店内のランチメニューを手に取った。
「いいですよ、だったらパスタランチでお願いします」
「本当にすみません。せっかく入っていただいたのに」
男の子は生真面目そうに頭を下げると、ぺこっと頭を下げていったん店の外に出た。
おそらく看板のグラタンランチを消しに行ったのだろう。
(学生さんかなぁ……それともここのお店の子なのかな)
なんにしろキビキビ働く若者にやたら好意的になってしまうところがある夕妃は、ニコニコしながらその男子の働く様子を見守ってしまった。