イジワル社長は溺愛旦那様!?
「っ……ううっ……」
(じゃあなんだっていうの……)
とてもまっすぐ立っていられないほど、ショックを受けていた。
夕妃は湊に引き寄せられるまま、よろよろと湊の隣に腰を下ろす。
「……ったく早とちりにもほどがあるよ」
朝陽は苦笑しながら夕妃を優しく見つめ、シクシクと泣く夕妃にボックスティッシュを渡す。
夕妃がおとなしくそれを受け取って涙を拭くのを見て、それからまた改めて口を開いた。
「で、寮に入るって話だけど。俺、大学は推薦貰う方向で行こうと思う」
(え……? どういうこと?)
推薦を貰うという言葉に、夕妃は目を丸くした。
「今までずっと、高校出たら働こうかなって思ってたんだよね。姉ちゃんが俺を大学に行かせたいって思ってくれるのは嬉しかったけど、それを受け入れるのにはちょっと抵抗があったというか……また四年間、世話掛けるのかって。いや、姉ちゃんが負担だと思ってないのは、わかってるんだけど、それとこれは別っていうかさ」
朝陽はピンと背筋を伸ばして、目の前に座る夕妃を見つめる。
「だけど姉ちゃん、俺が黙ってたら、好きでもない男と結婚してでも俺を経済的に不自由なくしてやろうとするし……あ、やばいと思って。俺がちゃんと自分の意志で自分の将来を決めなくちゃ、姉ちゃんは俺が予想してなかったようなやり方を平気でやってくるんだって、すっげー反省した」