イジワル社長は溺愛旦那様!?
湊の両親にしては、ずいぶんフレンドリーでかなり面白い雰囲気がしてきたが、出会ったばかりの女と一週間で結婚を決めるような湊なのだから、そういうちょっと、夕妃の知っている常識では測りきれない人なのかもしれない。
だが朝陽などはそれを聞いて、
「ハワイちょー楽しみー!」
と大喜びする始末だ。
(嘘みたい……)
あの状況で、最後まで呆気に取られていたのは、夕妃だけだった。
(朝陽くんもちょっと大物感あるわよね……)
ベッドの中で何度も寝返りを打っていた夕妃は、ため息をついて体を起こす。
目を凝らして壁の時計を見ると、深夜の二時を過ぎていた。
(お水でも飲もう……)
そっと部屋を抜けて、一階に降りる。
フットライトが自動でついて、キッチンがオレンジ色の明かりに包まれた。
グラスを取り出して冷蔵庫に入っているミネラルウォーターを注いでいると、
「――眠れないんですか?」
背後から声がした。
驚いて振り返ると湊がキッチンの壁に寄りかかるようにして立っていた。
(起こしてしまった……?)
どうしよう、という顔になってしまったのだろう。
すると湊は首を横に振った。
「俺も眠れなくて」