イジワル社長は溺愛旦那様!?
(それはそれでちょっと残念……っていうか、残念ってなに!)
夕妃は頭に浮かんだ妄想を慌てて向こうに追いやりながら、湊のあとをついて彼の部屋へと入った。
彼と並んでベッドの縁に腰を下ろす。
枕側に座った湊は、ヘッドボードの上に置いていたタブレットを膝の上にあげて、メモ帳を立ち上げてそれを夕妃に渡した。
「これであなたの意見を聞かせてください」
(わかりました)
夕妃はそれをうけとってしっかりとうなずいた。
「とりあえず――明日……正確には今日からのことですが」
湊の言葉に、夕妃もうなずいた。
【会社にいかないと】
「――ええ、そうですね。ですがあなたは声が出ないでしょう。なので、代理人を行かせようと思います」
【代理人?】
「俺の一番下の弟です。ひよっこですが、弁護士ですから。なので委任状と委任契約書を作成しようと思います。いいですか?」
委任状を書くと言うことは、すべての手続きを弁護士にやってもらうということだ。
職場でのことも……結婚するはずだった、彼のことも。