イジワル社長は溺愛旦那様!?

まるでご褒美をあげると言われているような気がした。

甘い囁きに鼓動が早まる。

湊の指先が髪を撫でて、首を撫でた。

その指先に誘われるように顔を上げると、妖艶に微笑む湊と目が合う。


「いい子だね」


それから湊の顔が近づいて、唇が重なった。
さらさらと、湊の黒髪が夕妃の額に零れ落ちてくる。

舌が唇をなぞり、そのまま中に入ってくる。

湊とは何度もキスをしているけれど、毎回心臓が壊れそうになる。


(ドキドキする……苦しい……だけどずっとこうしていたい……)


とろけるような口づけとはこういうことを言うのだろう。

体と心が混じりあって、フワフワと浮いているような気がする。

なのにどこか不完全で、もどかしくて、うずうずする。


「――泣いてる顔、可愛い」


夕妃の上にのしかかった湊が、夕妃の目じりに浮かんだ涙を、親指で拭う。


自分でも気が付かなかったが、どうやら泣いていたらしい。


「興奮するな……」


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