イジワル社長は溺愛旦那様!?

「はい……」


夕妃が首をかしげると同時に、社長は「はぁ……」とため息をつく。


「今、結婚を意識してお付き合いしている人なんかはいるのかな?」
「いえ」


そんな人はいない。というか、そもそもまったく出会いがない。
そんなことはこの事務所にいる人間ならだれでも知っているはずだ。

おかしいなと思いながら首をかしげる。


「それがなにか?」


すると社長はまた「はぁ……」と大きなため息をついたあと、視線をさまよわせながら、重々しく口を開く。


「そっか……えっとね、実はね……桜庭君がね……君と結婚したいと」
「――はい?」
「桜庭君が、君となら結婚してもいいと、言ってるんだよね」


(桜庭……さん? 私と……結婚……?)


何を言われているのかまったくわからない。

夕妃の頭は真っ白になった。



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