イジワル社長は溺愛旦那様!?

今日は、湊と夕妃の結婚式だ。

出会ってやく一年、ようやく結婚式を挙げようという話になり、山邑の好意でここを借りることが出来たのだ。
そして結婚式をおえたばかりの今、ここには湊の家族と、朝陽、それに始がいるだけだが、夜には日本から、湊の友人知人が来る予定になっている。


「ふむ……それにしてもさ、俺、ちょっと憂いのある美人が好みのタイプなんだけど、ゆうちゃんのウエディングドレス姿は、別格だね。美しすぎて目がつぶれそうだ。これは愛してしまうかもしれない――って、冗談だってごめん。湊、無言でゆうちゃんの背後に立たないで、怖いから」
「始さんがバカなことを言うから、あきれてものも言えなかったんですよ」


白いタキシードに身を包んだ湊が、後ろからそっと、夕妃の肩に手を乗せ引き寄せながら、始にたしなめるような目線を向ける。


「なんでそんなに飲んでるんですか」
「ごめんごめん、嬉しくってさぁ。夜にはユキも夫婦で来るし。楽しみだね。飲もうね!」
「ほどほどにしか付き合えませんからね」
「はいはーい」


始はグラスを持ち上げると、

「ご両親さま! ルビー婚式のご予定などありませんか?」

今度は湊の両親のもとへと向かっていった。

いつ見ても明るく、社交的な男である。


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