イジワル社長は溺愛旦那様!?
その顔を見ていると――。
なぜだろう。夕妃はこんなことで必死になっている自分がすごく子供っぽいような気がして。
釣り合わないような気がして。
もう夫婦なのに、なぜかすごく遠い存在のような気がして――。
「ううっ……ヒック……」
悲しいとか情けないとか、ごちゃ混ぜになった感情が、涙になって、あふれてきた。
なにより夕妃自身、突然泣いてしまう自分にビックリしたのだが――。
「あ……」
その瞬間、湊の眼鏡の奥の瞳が大きく見開かれる。
「夕妃」
「っ、ごっ……ごめんなさ……」
慌てて手の甲で涙をぬぐうと、湊は「いや……」と言って、足早に夕妃のもとに戻ってきた。
そして少し困ったように顔を覗き込んでくる。
「どうした? なにか不安なことがある? やっぱり秘書の仕事はしたくない?」
「ちが……」
「じゃあこの涙はなに?」
湊は夕妃の肩に手を乗せ、顔を近づけてくる。