イジワル社長は溺愛旦那様!?
だが、そんな夕妃の決意もむなしく――。
リビングで宿題を見てもらった後、湊は満足したように笑顔を浮かべた。
「うん、このレベルなら大丈夫だ。さっそく来週、うちの人材派遣会社に登録して、エールマーケティングの社長秘書に配属させよう。短い時間でよくがんばったね、夕妃」
そして緊張した様子で湊の様子をうかがっていた夕妃の肩に手を伸ばし、引き寄せると、まるで親が子供にするような可愛いキスをして、ポンポンと頭を叩いた。
「来週からいきなりフルタイムのハードな生活になるからね。今日と明日はゆっくり休んで、月曜日に備えなさい」
「えっ……!」
まさか仕事に備えて休めと言われると思っていなかった夕妃は、目を丸くする。
「じゃあ、おやすみ」
そして湊はソファーから立ち上がると、そのまま自分の部屋へと向かっていく。
このままではいけない。
「あっ、あのっ、みっ、湊さんっ!」
慌てて夕妃は立ち上がり、湊に声を掛けた。
「ん?」
肩越しに振り返る湊は、穏やかで、きれいで、大人の余裕があった。