美形鬼社長は、フランス人形に溺愛中!?

ズキッと胸が痛むが……これは、
仕方がないことだ。

社長は、いつでも彼女しか見ていないのだから。
しかし、その時だった。

『おい、ケイティ。何だその目は!?
泣いていたのか……?』

社長は、私が泣いていたことに気づいてしまった。

えっ?

『あ、えっと……ちょっと……あの』

どうやって言い訳をするか戸惑ってしまう。
まさか、気づくなんて……。

すると社長は、私の頬に触れてきた。

『もしかして、美千香さんが原因か?』

当てられてしまい
ドキッと心臓が高鳴った。

またもや顔が近いし……。

『その……』

『あれは、俺も悪い。
君は、キティに似ていても……キティではないのに。
突き放すような言い方をして、すまなかったな』

切なそうな表情で謝ってくれた。

社長……。

胸がキュンと締め付けられそうになる。

『いえ……私が悪いのです。
勝手に……ショックを受けて。
すみません……』

『ショック……?
何故ショック受ける必要があるのだ?
もっと自信を持て。お前は……こんなにも
美しいのだから』

そう言いながら、また頬に触れてくる。

あぁ、どうしたら……この人は、
私の方に向いてくれるのだろうか?

今も私ではなくキティを通して見ているのだわ。

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