恋愛白書
「あーいたいたー」


前から智香を見つけて歩いてくる2人組。


「タケだ…」

「マサも言ってあげてよ」


智香が可笑しそうに笑う。


マサなんて見えなかった。
タケしか見えなかった。


智香の隣にタケの視線が移る。


「え?」


段々と見開くタケの目。


「…や、しな?」


少し背が高くなったタケから目が離せなかった。


「やしなだよな?」


タケが走ってあたしの元にやってくる。


「…タケ」

「なんでやしないんの!?」


タケは一目もはばからずあたしのことを抱きしめる。


「大好きやしなが現れて良かったねー」


マサがタケの頭を撫でる。


「うるせー!黙れー!」

「変わってない」


2人があまりにも変わってなくてあたしは吹き出してしまう。
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