恋愛白書
「ところで泊まるところって?」

「あたしの家なの!」

「え!?やばーい超楽しみ!」


大好きな智香の家に泊まることになっていたなんて。
嬉しくて飛び跳ねちゃう。


「飛び跳ねんなよ」


丈に腕を掴まれる。


「…丈?」

「お前、さっきの…」

「え?」

「…なんでもねぇ」


丈の手がパって離れる。


久しぶりにふれた。
丈のぬくもり。

こんなことでドキドキするなんて。
あたしはいつからこんな乙女になったのだろう。

少なくともここにいたころは
そんなことでドキドキはしなかった。

というかさっきみたいにハグとか
日常茶飯事だったし。


触れられたくらいではなんとも思わなかった。


でも、丈だと
全然感じ方が違うんだよ。

< 347 / 447 >

この作品をシェア

pagetop