チューリップ



「はいはい!みんな静かにして!!


リュウと岩城先生はわけがあって今別々に暮らしてるの。だから久々の対面でリュウもびっくりしたんだと思う。



じゃあみんなは始業式があるから体育館に移動して!」



「「はーい。」」





2人減ったクラスみんなで体育館へと歩き始める。



岩城先生は私と目を合わせようとせず、ただぼんやりと前だけを見て歩いていた。





本当にこの人が


リュウにあんな傷を負わせたんだろうか?




私には到底そんな人には見えない。



あんなに優しくて、
あんなに穏やかに笑う人が…?





信じられない再会に、
私はただ、黙り込む岩城先生の後ろ姿を見て歩くことしかできなかった。
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