チューリップ




愕然とうなだれる赤井さん。



その赤井さんを睨みつけるリュウ。



そして、まだ震えのおさまらない私。






3人がそれぞれの思いを抱えて、沈黙が続く。








赤井さん…



今何を考えているんだろう…?


私のせいで苦しめてしまったの…?







ふと、私を支えてくれているリュウの手に力が入ったのがわかった。



するとリュウは立ち上がって赤井さんに近寄った。




「てめぇ自分が何やったかわかってんのか…?





っざけんな!!!死にてぇのか!!??」




聞いたことのないほど、低く大きなリュウの声と、赤井さんがリュウに壁に押しつけられた音が響く。






「リュウやりすぎ「何で気づかないの?



ずっと近くにいたのに…。」








赤井さんは涙を流しながら言うと


そっとリュウにキスをした。







唇を重ねているリュウの頬には赤井さんの涙が伝っていた。
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