チューリップ
みんな私が叫んだことに驚いてはいるようだけど、球技大会について全然反応を示さない。



10日後の球技大会まで特訓しようとまで思ってたのに…。


みんなは涙目の私を笑いながら見ていた。




「梨華、あのねぇ」




そうため息をついたのは菜々子ちゃん。
実はあれから菜々子ちゃんは私を許してくれたみたいで、今ではとても仲良くなった。



「6組はまともに体育の授業なんか出てないんだから、球技大会なんて参加できる訳ないでしょ?」




「でもだからこそ、球技大会はみんなで力を合わせて頑張ろうよ!





本当にみんな棄権でいいの?」





誰も、何も言わなかった。私の問いかけにみんなが真剣に考えているのはわかったけど、考えは変わらないようだった。







「わかった。じゃあ6組は「俺はやだ。」





私の言葉を遮ったのはリュウだった。



リュウは視線を私に合わせる。




「俺は参加する、ってか参加してぇんだけど…」


まっすぐな視線と声に、私はまた涙目になる。




「うん、俺も♪


今年こそ、最後の球技大会になるかもだし♪」




陽介君も笑いながら私に目を合わせる。




2人最高!!
本当ありがとう。





私も2人に微笑み返した。
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