チューリップ
でも、2人がそう言ってくれたのはすごく嬉しいんだけど、球技大会はクラスごとでしか参加は認められていない。
つまり、クラスの全員が参加したいと言わなくては参加はできない。



今日はテスト最終日だったからクラスの全員が出席している。




みんながリュウと陽介君を見るために振り返った。





「俺は高校入ってすぐ落ちこぼれて、球技大会なんて興味すらなかったけど



このクラスでなら参加してぇと思う。





協力してくれねぇか?」




「私も、やっぱ出たい。リュウ達とこうやっていれんのも今年だけ…だし。」






「リュウ、菜々子ちゃん…」





「ったく、しょうがねぇなぁ。」


「3年ぶりに運動も悪くねぇか。」


「うん、そうだね!」




隼(シュン)君、奏(ソウ)君、由井(ユイ)さん…
クラスのみんなが2人に賛同していく。






みんなが自分で作っていた殻を壊しているんだ。




殻を作るのは、自分に諦めて逃げ出すことは簡単。




でも、一度作ってしまった殻から出るのは難しい。


その殻にいれば、自分を守ることができるし傷つかずにすむから…








それなのに、あの2人は一言でみんなを動かした。



それはすごいことだよ。


容易くやって見せた2人に少し嫉妬しちゃうくらいね。






「では、6組も球技大会参加するってことで



頑張りましょうー!!!!!」
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