こいつ、俺の嫁。
【side 鉄也】
中学から出場してた市中大会、高2でついに優勝できた。
尋人に優勝をやることはできなかったけど、澪に優勝の景色を見せてやることができた。
客席を見たら、あいつ号泣してたな。
その顔がブサイクすぎて、それでも可愛くて思い出す度に笑っちまう。
監督からの長い話が終わって、待っているであろう澪を探す。
「………いねぇし」
見つけたら抱きついてやろうと思ってたのに。
舌打ちしかけた時にスマホが鳴る。
着信は今まさに探していた澪。
「…澪ちゃーん?どこ迷子になってんのー?」
子供扱いしてからかってやろうと思って言った言葉に返ってきたのは澪じゃなかった。
『あ、ごめんテツさん。澪じゃなくて私。
澪のスマホ借りちゃった』
「…未来?」
とりあえず観客席に来てほしいと言われ、澪がいた辺りの客席に向かう。