こいつ、俺の嫁。




入ってすぐに澪と未来の後ろ姿を見つける。




澪は未来に寄りかかっているのを見て、どういう状況かすぐに分かった。




「…あいつ……ったく」




客席の階段を降りて、二人のところへ。




「あ、来た。ごめんねテツさん、疲れてんのに。
動けなくてさ困ってんの」




未来が親指で指した隣では澪がこれまた気持ち良さそうに寝ていた。




こいつ……ほんとどこでも寝やがるな。




とりあえず澪を起こさないように俺の背中にのせて、澪をおぶった。




未来は俺と澪とそして自分の荷物を持ってくれた。




「澪、テツさんにピースしてからすぐ寝たよ。
ずっと徹夜だったみたいだから」


「え、まじ?早くね寝るの」




荷物を家まで運んでくれるという未来の言葉に甘え、未来と並んで歩く。




澪は昔から緊張が解けると寝てしまうとこがある。




だから俺の大会が終わると大体こうして俺が澪をおんぶして帰るはめになる。




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