こいつ、俺の嫁。
「どーだった?大人のキスは?」
「…どうも……こうも……腰、抜けた……」
まだ息切れがするのに、テツはもう平然としてる。
これが運動してる人としてない人の差かと痛感する。
「それ、気持ちよかったってことじゃねぇの?」
「……っ!う、うっさいわ!」
「澪、顔赤いけど?」
完全にからかわれてる。
あたしは体操座りをして赤くなった顔を埋めた。
「……澪」
「……何よ」
わずかに顔を上げて目の前にいるであろうテツを睨む。
テツはあたしの鞄を持ってニヤリと笑っていた。
あたしの鞄には見覚えのある水色の鈴が。
「す、鈴!」
「ご褒美もらったから交換な。澪のちょーだい」
テツから鞄をもらってピンクの鈴を取り出す。
そして差し出されたテツの掌に鈴をのせる。
テツはその鈴を自分の鞄につける。