こいつ、俺の嫁。




「…あんなに泣くからこんなことになんだろ」


「うっさい。麗さんが泣いてるの見たらつられちゃったんだし」




テツの部屋でベッドに横になり、目が腫れないように冷たいタオルで冷やしている。




あれから駅のホームでこれでもかというくらいに麗さんと泣いた。




テツはかなり引いてたけど、そんなの気にしない。




タオルがぬるくなってきたから新しいのに変えようと目の上にあるタオルを取り払う。




テツはベッドを背もたれにして、バレー雑誌を読んでいた。




その背中がなんだか麗さんと同じように寂しそうに見えた。




テツももしかして寂しがっているのかな…?




中学の時、尋人さんが引退する時も強がっていても一瞬寂しそうな顔をしていた。




「…テツも寂しい?先輩達いなくなって」


「…あぁ?」




いつものけんか腰の口調だけど、ただ一つ違うのは余計なひと言を加えて反発してこないこと。




中学生の時は強がってからかってきたのに。





テツの背中を眺めていると、テツはいきなり動き出して冷やしてあるタオルを掴んだ。




< 263 / 380 >

この作品をシェア

pagetop