こいつ、俺の嫁。




「…わ、ちょっ…!」




冷たいタオルをいきなりあたしの目をめがけて投げつけてきた。




タオルは見事にあたしの目に直撃し、その勢いであたしは再びベッドへと倒れる。




「いきなり何すんの!危ないでしょうが…!!」




怒っても何も言わないテツに頭でも叩いてやろうかと思って、目に被さったままのタオルをどかして起き上がろうとする。




するとベッドが体重によって軋む音がして、次にはタオルと取ろうとした手の上にいつも感じている温もりが重なった。




「…テツ?」




それがテツの手だと理解するのに時間はかからなかった。




頭を優しく持ち上げられて、硬い感触の枕の上に乗せられた。




これは…テツの太もも?




「…いい」


「…え?」




いきなり言われた言葉が聞き取れなくて聞き返せば、前髪を優しく梳かれた。




「…別に寂しくねーよ。俺にはお前がいればいい」


「…っ」




あたしだけいたって、ボール上げしか出来ないよ。
テツの大好きなバレー出来ないよ?




でもテツがあたしを必要としてくれている。
その事実が嬉しくて。




あたしだけがテツの近くにいたってバレーは出来ないけど、テツを近くで支えることは出来るから。




だから誰よりもテツの近くにいるね?




今年の願い事がどうか今年だけじゃなくて、ずっと続きますように願った。




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