溺甘プレジデント~一途な社長の強引プロポーズ~

 私がそう言い返すと、黙り込んでしまった。

 みんな、自分たちのアイドルが盗られてしまったような気分なのだろう。
 “お似合い”でいる分には構わなかったけれど、親密な関係となると手のひらを返すなんて、いかにもって感じだ。



 もし、私が桃園さんじゃなくて、葛城社長を選んでいたら……陰口くらいは日常的なものになっていたんだろうな。

 桃園さんは元から親近感すらない他所の人だったから、羨ましがるくらいで済まされているんだ。




「無許可で掲載されたって、社長は怒ってるみたいだって先輩から聞いたけど」

「え、そうなの?!ってことは、まだ可能性はあるよね?千夏の時みたいに」

 少しでも安心できる材料を放り込めば、パッと明るくなるその表情がいたたまれない。
 ただの憧れでそこまで心が揺さぶられるなんて、私はごめんだ。



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