溺甘プレジデント~一途な社長の強引プロポーズ~


「おはようございます、葛城です。朝からすみません。……そうですか。それなら話は早い。あとは上手くやってくださいね、雨賀さん」

 数秒で終話した彼は、ゆっくりと私の元へと歩みよる。



「週刊誌もテレビもネットも、芸能ニュースは雨賀さんと桃園さんのことで賑わい始めたようですね」

 ね、って……私は傷ついているんですけど。

 どうしてそんな酷なほどの優しい微笑みを向けてくるんですか?

 なぜ今、雨賀碧と連絡を取ったんですか?

 あとは上手くやってって、どういう意味ですか?


「先日の取材の後、私が雨賀碧と話していたこと、聞いていたんでしょう?ドアが閉まり切っていないままだったから、そうじゃないかと思っていました。

 それにこのところ貴女は覇気がない。不愛想なだけならまだしも、生気まで吸い取られたような顔をしてたら、いくら私でも予想はつきます」


 言葉を失って、冷静な表情を保つだけが精いっぱいになる。

 葛城社長は、私の失恋を知っていたのだ。
 それが真実かどうかというより、少なからず私と桃園さんが上手くいっていないという状況は知っていて……。



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