溺甘プレジデント~一途な社長の強引プロポーズ~

「知らないフリをするなんて酷いって、言いたいですか?」

「別に、私は」

「言ったはずです。白埜さんの心が読めてしまうと」

「こんな時に冗談を言うのはやめていただけませんか?」

「冗談?ひとつも言っていませんよ。
 それに、どこぞの社長のように、大して理解もしようとせずにひたすら軽々しくて甘いだけの言葉を並べて、価値の無い装飾品で気を持たせて吐き捨てるようなことはしません」

「桃園さんはそんな人じゃありません!」

「指輪、いつまで着けているんですか?貴女に贈られたものではないと、雨賀さんは言っていたでしょう?」

「彼女が本当のことを言っているとは限らないじゃないですか」

「その通り。だけど、桃園さんが誠意を示してくれているとも思えませんよ、同じ男として」



 傷ついた心を別のナイフで切られるような、葛城社長との言い合いに息切れがする。


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