溺甘プレジデント~一途な社長の強引プロポーズ~
「そんな顔したってなにも変わらないんですよ。落ち込んでも、笑ってても、結局周りは騒ぐんです。面白おかしくあることないこと噂して、酒のつまみにするんです。
嫌なことだけど、そういうリスクのある相手を選んで恋をしたんですから」
桃園さんと恋をするということの現実を突きつけられた。
ただの失恋よりも痛手を被るけれど、責任を持って対応しなくてはいけないのだ。
私が、甘かった。
やっぱりどこかで浮かれていたのかもしれない。しばらく間が開いた後で、こんな大恋愛をするなんて思っていなかったとはいえ、桃園さんとの恋にもう少し冷静になれていたなら……。
不意に、視界が揺れた。
「正直言って、こっちもそれなりにアザだらけの気分だけど、今日くらいは俺を頼ってみない?」
美しくて力のある眼差しで社長が見つめてくる。
顎先を上品に持ち上げる彼の指には、強引を感じなかった。