溺甘プレジデント~一途な社長の強引プロポーズ~

「そんな顔したってなにも変わらないんですよ。落ち込んでも、笑ってても、結局周りは騒ぐんです。面白おかしくあることないこと噂して、酒のつまみにするんです。

 嫌なことだけど、そういうリスクのある相手を選んで恋をしたんですから」


 桃園さんと恋をするということの現実を突きつけられた。
 ただの失恋よりも痛手を被るけれど、責任を持って対応しなくてはいけないのだ。


 私が、甘かった。
 やっぱりどこかで浮かれていたのかもしれない。しばらく間が開いた後で、こんな大恋愛をするなんて思っていなかったとはいえ、桃園さんとの恋にもう少し冷静になれていたなら……。




 不意に、視界が揺れた。


「正直言って、こっちもそれなりにアザだらけの気分だけど、今日くらいは俺を頼ってみない?」


 美しくて力のある眼差しで社長が見つめてくる。
 顎先を上品に持ち上げる彼の指には、強引を感じなかった。


< 147 / 251 >

この作品をシェア

pagetop