溺甘プレジデント~一途な社長の強引プロポーズ~
「向き合うって言っても、相手を騙すためならそれくらい何とも思わずやってのける人は多いものです。社長ともなれば朝飯前でしょうね。桃園さんや私がそういう人間かどうかはさておいて、貴女がその矛先になっているのを黙って見ていられないんです」
どうしていつも気づくのが遅いんだろう。
葛城社長に告白された時も、桃園さんが雨賀碧と関係を持っているのも、全部後になってから、自分の気持ちを認めるばかりだ。
もっと素直になればいいの?
好きなものは好き、嫌いなものは嫌い。それを守っているから、素っ気ない態度になっているのに……。
「そんなに難しいことを言ったかな。白埜さんは、ただ恋をしただけです。今回の件が本当だとしたら、完全に向こうがクロ」
「分かってます。それは……」
「じゃあ、もういいんじゃない?頑張って恋をしたんだから、自分を許してあげなさい」
私の頭に、社長が手のひらを置いて微笑むから、薄らと涙が滲んだ。