溺甘プレジデント~一途な社長の強引プロポーズ~


「単刀直入にお話しますが、雨賀さんとの関係は本当ですか?私と未来のあるお話をされたのも、この指輪も、偽物だったんですか?」

「まぁ、そう焦らずに。飲み物が来てからでも話しましょう」

「お気遣いなく。知りたいことを知るために来ましたから」

「……」


 いつになく棘のある私の態度に、桃園さんが深くため息をついたせいで、苛立ちが募った。

 なんでそんなに面倒そうにされなくちゃいけないのよ。
 私だって、好きな人に久しぶりに会うんだから、楽しく過ごしたいって思う。だから、2人の間にあるわだかまりを早く解決したほうがいいと思うから、こうしているのに。



「千夏さんのことは、本当に好きですよ。気が付くと会いたいと思うんです。前にも話した通り、どうやら私は信じてもらいにくいタイプの男のようですが、貴女は違った。ちゃんと信じてくれていたでしょう?」


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